海外進出が盛んなグローバル社会において、各国語で書かれた学術論文や契約書を和訳する技術翻訳のニーズは高まるばかりです。技術翻訳をする際の注意点を国別・言語別にまとめて紹介します。
英語の論文は日常生活で使用されている一般的なイギリス英語やアメリカ英語とは異なります。そのため、技術翻訳で使うのはアカデミック英語とも呼ばれる専門的な言い回しや単語の用い方がされる英語です。英文の論文にはessay(エッセイ)、paper(ペーパー)、monograph(モノグラフ)、thesis(シーシス)などがあります。
英語の技術翻訳で注意すべきは、多くの論文に共通する一般的な構成を理解しておくことであり、アカデミック英語で使われる主な表現を知っておくことです。
中国語には文字表記において簡体字と繁体字の2種類があり、北京語、広東語など数多くの方言があります。技術翻訳に際しては、まずこの違いを把握する必要があります。そのうえで、中国語の論文が結果を重視するものである点に注意が必要です。英文の論文とは異なり、Introduction(序論)やMaterials and methods(実験材料や方法)の扱いは重くありません。
技術翻訳に際しては、この点を念頭において取り掛かる必要があるといえるでしょう。
スペイン語と言っても、国や地域ごとに「特有」の文法や語彙があります。 明確にすることです。スペイン語の上記の特徴を把握していないと「せっかくスペイン語を翻訳したのに、 ターゲットに伝わらない」ということが起きてしまいます。
「どこの」「誰に」「何を」伝えたいのかということを明確にしたうえで、それぞれの文法や語彙に 対応をしている技術翻訳会社に依頼しましょう。
韓国語は「ハングル」と呼ばれる独特な文字を使用しており、その他の言語と比較しても大きな特徴や違いがある言語です。文章の構成においても、韓国語ならではの表記の仕方やルールがあるため、技術翻訳を依頼するときはそれらについて正しく認識しておくことが重要です。
また、表記の仕方等について、明確に指示を出さないと意図した内容とズレてしまう可能性もあるため、依頼を出すときはその点についても注意する必要があります。
フランス語は日本語とは違った特徴を数多く持つ言語であり、翻訳に関しても非常に気を遣うポイントが多くなっています。中でも技術論文に関しては、専門的な用語、日常会話では見かけないような用語も多数出てくるので、翻訳に関しては困難を極めます。こうした文章に関しては、生半可な知識でどうにかしようとはせず、専門業者に依頼するのも手段の一つでしょう。
ここではフランス語の特徴や、専門業者に依頼を行う際の注意点についてまとめましたので、チェックしてみてください。
世界で5番目に話者人口が多いアラビア語は、近年では翻訳のニーズが非常に高まってきています。ただ、日本ではあまり目にすることのない言語ですし、馴染みがないという人も多いかもしれません。
アラビア語を翻訳する際は、日本語や英語などの言語と大きく違う特徴があることを理解しておくと、その後の対応もスムーズに進んでいきそうです。「アーンミーヤ」「フスハー」といったアラビア語特有の事情を頭に入れておくと、翻訳時のトラブルも事前に回避できるでしょう。
ヒンディー語は、インドの連邦公用語として、13億人と言われるインド人の約4割で使用され、世界での使用人数は3番目に当たる言語とされています。日本では名馴染みのない独特の文字や、動詞の組み合わせで語形が変化するなどが特徴として挙げられます。
ヒンディー語は日本語と違うさまざまな特徴があり、技術翻訳を検討する際には気を付けるべきポイントがいくつかあります。事前に把握しておくことで、文字化けした、想像と違ったなどのトラブルを未然に防げるでしょう。
ポルトガル語は日本語と異なる点が多々あって正確な翻訳が難しい言語のひとつです。代名詞が多く略語・言い換えが多い特徴があり、翻訳ではポルトガル語の深い知識は必要不可欠と言えるでしょう。
注意点は、使用している国や地域によって文法や語彙が異なること。ポルトガルで使用されるイベリアポルトガル語、ブラジルで使用されるブラジルポルトガル語、アフリカ地域で使用されているアフリカポルトガル語があり、日本でポルトガル語とされるのはブラジルポルトガル語を示すことが多いです。
言語学的には西ゲルマン語群という英語と同じグループに属すドイツ語ですが、緻密で論理的な構造を持ち、語形変化も複雑で難解な言語のひとつと言われています。そのため企業間の契約や学会で用いる論文などは、専門業者に依頼するほうがベター。
ドイツの産業・工業技術は日本人に高く評価されています。企業との取引については将来的トラブルにつながらないよう、技術用語や法律に強く経験豊富なドイツ語翻訳者が在籍する会社を選んでください。
日本ではあまりなじみがないロシア語ですが、ヨーロッパの中では最も母国語者が多いと言われている言語です。国際連合では英語・フランス語・中国語・スペイン語・アラビア語と並ぶ6つの公用語のひとつとなっています。
ロシア語は状況説明のために多くの単語を使用するので文字数が多くなってしまう特徴があり、日本語原稿「A4用紙・1枚」を翻訳すると同じように「A4用紙・1枚」には収まりません。また各国や地域によって微妙な言い回しの違いや癖があります。ロシア語技術翻訳を依頼する際は、ロシア語文法に精通した会社を選ぶようにしましょう。
イタリア語を日常的に使用している人口は6,000万人ほどで、決して多くはありません。しかし自動車産業や化学、エネルギー産業などが盛んで日本企業の進出も多いことから、日本でのイタリア翻訳はニーズがあります。
イタリア語は名詞や形容詞に性数の変化があり、動詞の活用が多いです。また、動詞の活用で主語が分かれば主語が省略されます。金融・法務関連での技術翻訳ではイタリア語の知識はもちろん、専門知識がある翻訳者に依頼するようにしましょう。
ベトナム語は、さまざまな点で日本語文法と異なるため、技術翻訳をするのはかなり難易度が高い言語だといえます。たとえばベトナム語は主語に関する表現が非常に多いため、常に主語が何であるのかをしっかりと把握しながら翻訳をしていかないと、精度の低い翻訳になってしまう可能性があります。
その一方、時制に関してはかなりルールがゆるいので、文脈を正確につかみつつ、誤訳をさけるために時を表す単語を含めてながら翻訳していくのが確実です。
トルコは近年、最大の都市であるイスタンブールを中心に、海外から進出してくる企業が増えてきている国の一つとなっています。トルコ進出をするためには、トルコ語の技術翻訳が必要不可欠で、現在では翻訳者のニーズも高まっていると言えるでしょう。トルコ語は比較的日本語と類似点の多い言語ですが、英語などとは違う独特のポイントもあります。特に文法面については非常に厳格なルールがありますので、トルコ進出の際は、そうした事情を理解している翻訳者に依頼をするようにしましょう。
インドネシアは経済成長を遂げる東南アジア圏の国の一つであり、公用語であるインドネシア語のニーズも高まっています。インドネシア語はローマ字に近い発音で、アルファベットを用いているので、日本人には比較的なじみやすい言語。しかし、宗教や政治的な表現には気をつけなければいけないところも多く、経験の少ない翻訳会社に依頼すると、トラブルになってしまうこともあるので、実績のある会社に依頼するようにしましょう。
ベンガル語は単語の語順が日本語に近く、文法的には日本人にも親しみやすい言語です。ただし、地域ごとに10を超える方言があり、方言によっては標準語と単語や発音などが大きく異なります。また結合文字の表記ルールが複雑で、似ている文字が多いなどの特徴があります。
ベンガル語を技術翻訳するときには、ベンガル文字に対応できるツールやフォントの活用が必須です。ベンガル語の独特なルールや方言をしっかり理解している翻訳会社に依頼するようにしましょう。
東南アジア諸国において、地政学的にも地理的にも中心的な立ち位置にあるタイ。そのビジネスマーケットの価値の高さから、多くの日本企業が進出を果たしています。
ただ、ビジネスをおこなう際に必要になる技術翻訳には、かなりの難しさがあります。というのは、タイ語の文字は、日本にとって全くなじみのない形をしているうえ、最初は見分けるのが困難なほど似ているものもあります。また、動詞に活用がないので、時制などを見極めるには、文脈による理解が求められるのです。
マレー語は、マレーシア、ブルネイ、インドネシア、シンガポールなど東南アジア圏で用いられている言葉です。特にマレーシアは経済成長が著しく、海外企業の恩恵も大きいことから、進出が盛んとなっており、技術翻訳のニーズも高まっています。マレー語には2種類の文字があったり、ローマ字読みに近いといった特徴があったりするので、日本人でも馴染みやすいといわれています。
しかし現地ならではの注意点もあるので、翻訳を依頼する際にはそれらを意識するようにしましょう。
ペルシア語は、産油国としての強みがあるイランの公用語です。特徴はアラビア語と使用する文字は同じで単語も似ているということ。ただし、発音や文法は異なります。また、文字を書く場所(単独・語頭・語中・語尾)によって文字の形が異なるという特徴もあります。
ペルシア語は対応できる翻訳者の数が少なく、翻訳難易度が高いことから料金は比較的高めに設定されていることが多いです。
ここでは、専門性が高い技術翻訳を依頼できる信頼性の高い会社として、下記4つの条件(比較表下に記載)に合致した3社を紹介。それぞれの強みや得意分野・専門分野についても解説していますので、是非チェックしてみてください。
※2021年6月調査時点
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